高校3年生向け英語の教科書CROWN3『CROWN English Communication Ⅲ』のLesson5-4の本文和訳とちょっとした解説になります。
※ご要望により、Lesson5-2以降は前後半に分けずに記事を作成しております。
- CROWN3 Lesson5-4 本文和訳・単語・解説
- CROWN3 Lesson5-4 教科書の設問の答え・解説
- CROWN3 Lesson5 章末問題の答えと解説
- CROWN3 各Lesson の和訳・答え・解説一覧
【関連記事】
CROWN3 Lesson5-4 本文和訳・単語・解説
Lesson5
The Biggest Event in Human History... Or the Last?
Lesson5-4
[1] AIの研究は私たちに多くの利益をもたらすと期待されていますが、それにも関わらず多くの人がAIに対して懸念を示しています。
- nevertheless「それにも関わらず、それでも」
[2] 第一にAIによるコンピューターシステムは仕事を奪う可能性があります。
- take away「取り除く、奪う」
[3] オックスフォード大学の研究チームによると、アメリカの大体半分の労働者が、機械によって失業する危険性があるとされています。
- Oxford「オックスフォード」
(イギリス・イングランド東部の州) - roughly「ざっと、大まかに」
[4] プロの運転手は、自動運転車によって職を失うかもしれません。
[5] 法律家の世界でも、書類を管理したり、法的な契約書を作成できるコンピューターによって、一部の労働者は職を失う可能性があります。
- legal profession「法曹、法律家」
[6] 工場の労働者はロボットに取って代わられつつあるのです。
[7] 第二に、コンピューターシステムは、私たちの知らないところで、我々の考え方に影響を与えているかもしれないのです。
[8] 私たちがインターネットを使用する時はいつも、コンピューターシステムが密かに我々の行動を観察しており、何を購入し、何を読み、どんな音楽を聴くのかを決める際に誘導しているのです。
- behind the scenes「舞台裏で、こっそり」
【文構造】
Every time ~ Internet,
computer systems are working behind the scenes to observe our behavior,
guiding us in deciding
①what to buy,
②what to read,
③and what kind of music to listen to.
[9] 私たちは我々こそが主人(マスター)だと考えていますが、実際のところはコンピューターがこっそりと我々の立場を脅かしているのかもしれません。
- quietly「密かに、ひっそりと、静かに」
【読解ポイント】
例えが分かりにくい部分もあるかと思いますが、つまりは「人間がコンピューター側に支配されているのではないか?」というのが第2の懸念だったということです。
GoogleやAmazonの検索結果やその表示順、おすすめ商品などを基に人間は意思決定をしており、AIの進歩が進むほど、自分の意図とは異なる情報をぼんやり眺めてしまうようになるということでしょうか...
[10] 第三の懸念材料は、自律式の兵器が人間の直接的なコントロール無く、標的を攻撃(破壊)しかねないという点です。
- autonomous「自律式の、自主的な」
[11] ほとんどのAI研究者は兵器を構築することに興味を持ってはいません。
[12] しかしながら、多くの物理学者は核兵器の禁止を支持しているにも関わらず、核拡散を止めてはいないのです。
- physicist「物理学者」
- ban「禁止、規制」
- proliferation「拡散、激増」
[13] 最後になりますが、何人かの科学者たちは、人工”超”知能が我々全人類を脅かす可能性ああると警鐘を鳴らしてます。
- superintelligence「超知能」
[14] 結果として制御不能な自己改善(機械学習)の繰り返しに繋がる、非常に急速な技術革新を、AIは引き起こすかもしれません。
- result in ~「~という結果になる」
- uncontrolled「制御できない」
[15] 新しくより賢い(AIの)世代は、どんどん急速に出現するようになり、知能爆発を引き起こします。
【読解ポイント】
ここでいう"generation"=「世代」とはAIの世代を表している。AIが機械学習を自律的に継続するようになると、どんどんAIの進歩の速度は急速になっていき、新世代のAIが生まれる速度も速くなる、ということ。
[16] その最終的な結果は、全人類の知能よりもよっぽど優れているであろう強力な超知能が生まれるというものになります。
[17] そして文明そのものは脅かされるのです。
[18] イギリス人の物理学者であるスティーヴン・ホーキング氏は、AIの有望さと脅威について、次のように語っています。
- promise「有望、約束」
[19] 「AIを生み出すことに成功したのは、人類の歴史で最も大きな出来事になるでしょう。
[20] しかし不幸なことに、リスクをどのように避けるのかを私たちが学ばない限りは、それが終焉ともなり得るだろう。」
- unfortunately「不幸にも、運悪く」
- unless ~「~することなしには」
[21] それゆえに、ハサビス氏が述べたように、我々は人工知能のシステムを、ごく一部にとっての利益ではなく、全人類にとっての利益になるような倫理的な方法で使うことが重要です。
- ethical「倫理的な、道徳的に正しい」
[22] 結局のところ、コンピューターには、共感や同情といった感情を感じ取る人類の能力が欠けているのです。
[23] 私たちは、それらコンピューターが道徳的に振る舞うことを期待することはできないのです。少なくとも現時点では。
以上がCROWN3 Lesson5-4の和訳・単語・解説です。
今後も分かりやすい解説記事を書けるよう頑張りますので是非参考にしてください🙇♂️
CROWN3 Lesson5-4 教科書の設問の答え・解説
※あくまで取り急ぎの解答です!間違ってたらごめんなさい🙇
Q1 オックスフォード大学の研究チームによると、アメリカの労働者には何が起こるとされていますか?
→ Roughly half the workers in the U.S. are in danger of losing their jobs to machines.
Q2 私たちがインターネットを使用する時、コンピューターシステムは何をしているのですが?
→ Computer systems observe our behavior secretly and guide us in deciding what to buy, what to read, and what kind of music to listen to.
Q3 コンピューターが道徳的に振る舞うことを私たちが期待できないのはなぜですか?
→ It's because they lack our human ability to feel empathy and compassion.
CROWN3ではこれまでのCROWN1・2よりも文章が長く難しくなっているので丁寧に説明を書いているつもりですが…不明点があればコメント欄に質問してみてください!(英語に関係ない質問でもウェルカムです!)
CROWN3 Lesson5 章末問題の答えと解説